死刑宣告を受けた元ヒップホップ・スターとそれが意味すること


This is a Japanese edited version of an opinion article on CNN.
CNNに掲載されたZin Mar Aungミャンマー国民統一政府(NUG)外務大臣によるオピニオン記事を短く編集し日本語訳しました。

Zeyar Thawがミャンマー初のヒップホップ・アルバムをリリースしたのは2000年のこと。当時のミャンマーでは、これはほとんど革命だった。彼のラップは、多くの人の人生に影響を与え、自由を求めるその声は、必然的に彼を政治の世界へと導いた。

Zeyar Thaw 元ヒップホップ・アーティスト、現在は政治家

2011年、政治活動のために刑務所に入った後、ちょうど民主主義への移行が始まった頃、Zeyar Thawは釈放され、国会議員に選ばれた。

今、彼は死刑囚監房に座っている。数週間前、Zeyar Thawと仲間の活動家Ko Jimmyは、2021年2月に政権を奪った軍政によって死刑を宣告されたのである。このまま死刑が執行されれば、ミャンマーでは数十年ぶりのこととなる。

何の罪を犯したのか。

国軍側は、彼らが「テロ行為に関与した」としている

彼らは自由を信じ、求めただけである

クーデター以来、約3000人が殺害され、100万人以上が家を失い、160万人が職を失った。推計によると、1万9000戸以上の家屋が破壊された。(*NUG調べ)

私は2020年11月に選挙区の人々によって選出されたが、2021年2月1日、ミン・アウン・フライン上級大将の指揮下にある兵士たちが、国会議員として生活していた寮を取り囲んだ。

現在は国外に避難中のZin Mar Aung

私は、1998年から2009年までの11年間、前軍事政権下で政治犯として、ほとんどを独房で過ごした。今回も、専制君主の将軍が自分の国を混乱に陥れるのをただ見ているわけにはいかなかった。選挙で選ばれた国会議員として、自分たちの正当性を主張し国民統合政府(NUG)を樹立。国民が自由を奪われてはならないと考えている。

Zeyar ThawやKo Jimmy、そしてミャンマー全土の何千人もの人々が同じように思いだ。看護師、教師、医師、農民、そして子どもたちまでもが、望まぬクーデターに反対して街頭に出た。

ロシアは、ミャンマー国軍に対し戦闘機、ヘリコプター、無人機などの武器、装備、訓練の主要な供給国であり続けている

こうした武器は、クーデター以来、民間人を爆撃し殺害するために使用されてきた。

ロシアの軍事的干渉は、ウクライナにとどまらない。また、軍事政権はロシアのプーチン大統領と彼のウクライナ侵攻の味方をしている。

私たちは、独裁者たちが権力を維持するために互いに支援し合う世界に生きている。したがって、ミャンマー国民が行っている民主化と自由のための闘いは、すべての人に関わる闘いであることを明確にしなければならない。

クーデターから1年以上が経過したが、どの国もミン・アウン・フライン将軍の政権を正式に承認していない。軍は、殺害、焼却、食糧や農作物の破壊、理由なき投獄など、暴力的な作戦を続けている。軍部は、自分たちが「テロリスト」と呼んでいる人たちを標的にしていると主張し、事件の多くを軍部ではなく、抵抗勢力のせいにしている。

ミャンマー国軍を率いるミン・アウン・フライン

私たちは国軍政権に打ち勝ち、ミャンマーを恐怖と欲の鎖で永遠に縛り続けることはできないのだと、彼らに理解させなければならない。

そのためには、次のことを実行する必要がある。

暴力の資金源となる収入を軍政権から断つ

米国、欧州連合(EU)、英国は、軍政権に対しいくつかの制裁を課しているが、軍政権が渇望する外貨を絶つには至っていない。

軍部は、戦争行為の資金を外国企業からの資金に依存し続けている。その資金の流れ、特にオイルドルは、止めなければならないし、止められる。

ロシアの武器がミャンマーに流入しているだけでなく、ミン・アウン・フラインはクーデター以降、モスクワを訪問し、モスクワの大学から名誉を受けたりもしている。ロシアが持つ拒否権によって、国連安全保障理事会がこの暴力を止めることは不可能になっている。

ウクライナの例は、世界が経済的な手段で政権に圧力をかけることができることを示している。石油収入や、軍が盗んだ富を引き出すために国際的な銀行システムを利用し、犯罪を起すために必要な武器を容易に輸入できることを追及するためには、もっとできることがあるし、しなければならない。最近、英国政府は軍事政権を支援しているロシア企業に対して制裁を課したが、これは正しい方向への一歩である。ミャンマー国軍による殺人行為は、彼らの収入が途絶えるまで止むことはないのだ。

ミャンマー国内では、団結の動きが強まっている

多民族国家であるミャンマーは、何十年もの間、内輪で戦争をしてきたが、今、軍部に対抗して、ミャンマーの民族間の新しい同盟が、新しい共有の未来を築きつつある。このビジョンは、これまでミャンマーで行われた中で最も包括的で実質的、かつ人間本位のプロセスであるNational Union Consultative Council(全国組合協議会)によって検証された。NUCCには、さまざまな政党、民族の声、市民社会の代表が集まり、私たちが直面する課題に対する共通の解決策を作り出している。

私たちの計画のもう一つの要素は、政権が国に押し付けようとしている見せかけの選挙に反対すること。自分たちだけが立候補でき、自分たちだけが勝てる選挙を作り、その結果をあたかも重要であるかのように見せかける、この手口はよく知られているが、ミャンマーを無力化し暴力の終わりのない連鎖に陥れるものである。

フランスの上院やその他の議会は、2020年の選挙で国民の同意を持っている正当な政府であるとしてNUGを認めている。しかし現在のASEAN5項目のコンセンサスは失敗しており、国際社会は、ミャンマー、そして文民政府を回復させるために、より効果的な戦略を必要としている。

そのためには、より効果的な人道支援計画から始めなければならない。ミン・アウン・フラインは、自分たちの戦略の正当性と影響力を得る方法として、人道支援を完全にコントロールしたいことを明らかにした。しかし

人道支援は、ミャンマー国民に説明責任を果たしながら実施することが可能であり、またそうすべきである

世界は、ロシアのウクライナ侵攻に対する国際的な反応を見てきた。その反応は希望を与えてくれる。私の国の国民たちは、ミャンマーも自由になれると世界が信じてくれるのを待っている。

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